R1000の風に乗るようです

自分の将棋研究・対局結果・感想戦を適当に振り返る

生主対局 フロストさんと対局 四間飛車対右四間飛車の自戦記

彼の名前はフロスト優しさ溢れる人柄とは裏腹に、奇襲戦法使いにして生主

 

  1. 目次
  2. 概要・注意事項
  3. フロスト氏のコミュ
  4. 対局前の心境
  5. 自戦記
  6. 対局を通しての感想
  7. これから
  8. 棋譜

 概要

 2018年10月26日深夜0時過ぎに私はフロスト氏と対局しました。感想戦を一通り終えた後、ブロマガにフロスト氏の名前とコミュを出す許可を頂きましたので、ここに自戦記を書かせていただきます。
 なお、対局者であるフロスト氏の批判は一切受け付けておりません。ですが、私の指し手への批判は構いません。

フロスト氏のコミュニティ

↑クリックするとコミュニティページに飛びます。

 私のコミュニティの名前はイビシャイニングなのだが、放送外で振り飛車も良く指す。フロスト氏は居飛車党の奇襲戦法使いで、攻め将棋である。私としては、筋違い角やノーガード戦法など様々な奇天烈戦法を見せてくれる人気生主フロスト氏に、感謝の正拳突き1万回95歩戦法をお届けしようと思った次第である。



 将棋倶楽部24の東京道場、フリーで15分
 先手 フロスト
 後手 私

 初手から 26歩34歩76歩94歩96歩44歩   【第1図】

 ◇95歩戦法と私の失敗

 4手目94歩に対して96歩と受けてくるとは私は思ってなかった。95歩戦法の出だしにはならなかったが、この後の戦法の取捨選択に問題があった。
 本譜は44歩から相手の出方で雁木か四間飛車の両天秤にかけて指そうという狙いなのだが、私は84歩と突けばよかったのだ。そうすれば横歩取りになって、後手番の奇襲戦法を炸裂させられる事が出来た。。四間飛車が悪いというわけではなく、フロスト氏に奇襲戦法を使う事が出来なかったのだ。むしろ44歩という手は普段の私が指す手である。


 第1図から 48銀32銀46歩42飛47銀62玉56銀72玉48飛
 【第2図】

 ◇奇襲戦法家フロスト

 48銀は普通として、32銀か42銀かでちょっと違ったが長くなるので割愛。
 46歩と突いた事によって居飛車にするなら腰掛銀や右四間飛車四間飛車なら右四間に殆ど決定される。四間飛車に対して四間飛車は互角に戦えるらしいので、私は四間飛車を選択。思えば私が44歩と突いてしまったがためにフロストさんに右四間飛車という選択肢を与えてしまったのだ。彼に奇襲戦法をお見舞いするはずが、逆に奇襲戦法を喰らってしまった事を48飛を指されてから気が付いた。


 第2図から 82玉45歩72銀44歩52金45銀33銀36歩32飛
 【第3図】

 ◇悪手は悪手を重ねる

 ここで私に疑問手が出る、82玉である。それを見てフロスト氏は、61の金が離れた瞬間と思ってか45歩と仕掛ける!これが機敏だった。………2分考えて、私は72銀とハッチを占めるのだがこれも悪手である。ここは43銀とする一手だった。以下、44歩同角で同角には同銀として何でもない、55銀が気になるがソフトは35角でいい勝負との事。82玉に替えて43銀としていれば、特別な手順藤井猛著の四間飛車の急所1に載っている変化)で受けられる。そして何より最悪なのが82玉と指したからには72銀と指さなければいけない、そう思ってしまった自分の心だ。
 指してしまったからにはしょうがない。その手を受け入れるしかなかった。形勢は既に敗勢である。44歩に対しては、52金で43の地点を補強して決戦に備えるが、45銀33銀と辛い辛抱が続く。36歩で35歩同歩34歩を見せられたので、32飛と回ってさらに辛抱するしかない。52金と備えたおかげで32飛と回れたが、それでも35歩同歩34歩同銀43歩成りの順は怖い。感想戦で35歩同歩34歩の指摘があったが、フロスト氏が36歩と指したのだから見えてないわけがない。)
 私は右下のボタンを押す準備はできていた。


 第3図から 56銀42銀43歩成同銀22角成同飛88角12飛45銀
 【第4図】

 ◇千日手狙いの悪手と握手拒否

 フロスト氏は56銀としたが、明確な悪手である。感想戦でもリスナーから突っ込まれてたし、私も少しコメントさせてもらったのだが、私は…否、私だけは56銀の意図をくみ取っていた。
 千日手である。おそらくフロスト氏は56銀42飛45銀32飛56銀としてこの対局を引き分けで納める腹積もりである。理由としては、元々私の形成が不利なのと私が後手番だという事で私にとっては得なやり取りだし、フロスト氏にとっては私と引き分けになるだけで十分(次の対局が控えてた)なのだろう。よって千日手にしませんか?という誘いなのだが、私はその手を振りほどいた。
 42銀の千日手拒否は次に35歩同歩同飛からの飛車の捌きを狙っているが、43歩成とされて88角成なら52と、同銀なら22角成で不利に陥る。よってこっちは手待ちするしかないので、フロスト氏はじっくり玉を囲う程度で十分だろう。だが、それでもなお振り飛車の形が悪いと見て仕掛ける。
 が、それはこちらの思うツボだった。43歩成同銀22角成同銀88角と打ちなおしても、12飛とされて意外と手がない。せめて銀が45にいれば44銀とぶつける手があったのだろう、それほどまでに56銀の罪は大きい。
 45銀と手を戻した時、私にチャンスが巡ってくる。


 第4図から 47歩同飛28角44歩32銀34銀19角成45飛
 【第5図】

 ◇水面下に潜む巨大な影

 47歩と叩いて私が優勢になった。28飛は46角だし、58飛も46角18香48歩成同金19角成程度、18飛は27角28飛49角成同玉48金同飛同歩成同玉46飛と王手銀取りがかかる。
 よって同飛と取ったのだが、28角で後手に香得が約束される。香は見捨てるしかないので44歩32銀34銀と攻めかかるが、19角成として次の46香が厳しい。例え43歩成りとしても同銀同銀成46香と打ち、52成銀同飛として飛車金の田楽刺しは外れない。駒交換すれば陣形の差が活きてくるのだ。
 渋々45飛とした為、変化手順は現れなかったが私にもう一度チャンスが巡ってくる。


 第5図から 33銀同銀成同桂35飛31香39金46馬68玉
 【第6図】

 ◇捌きの裏側

 33銀は少し捻った手で、恐らく本筋としては29馬だろう。以下43歩成は同銀同銀成同金42香として田楽刺しが決まるため、踏み込みにくいのだ。
 だが、仮に43歩成と踏み込まずに68玉とされた場合はどうか。こちらの馬は引く場所は難しく、飛車や銀は使えず……私の駒が捌けないのだ。攻めようにも68玉と一手早く囲った手が活きる展開になると将棋は長引き、逆転の目も生まれる可能性がある。かといって手待ちすると78玉や78銀~79玉とドンドン固められる。よって33銀なのである。
 33銀に本譜は同銀となったが、感想戦後にリスナーの指摘で43歩成があった。勢いよく34銀52と45銀61と同銀と取るしかないが、22金と飛車を捕まえて少し怖い形。飛車を持たれると美濃の金二枚が無くなったのが響いてくる。33銀は少し強引過ぎる捌きだったようだ。
 一応感想戦で示された変化として、33銀に43銀成は62金か51金で空振り。33銀に23銀成は42飛で大丈夫。
 本譜は33銀成同桂35飛31香と進み、39金と桂を守った。感覚的に桂を守ってる暇はないが、替わる手も難しいと思う。その後、46馬68玉と進み私は勢いよく踏み込む。


 第6図から 45桂31飛成57桂成78玉58銀同金同成桂77玉69成桂
 【第7図】

 ◇強襲、そして露骨

 45桂と勢いよく跳ねた。57の地点を受ける48金は35香と取ってゲームセットなので、31飛成と取るしかないが、57桂成として大優勢である。
 だが、78玉とされて後続手が難しいのではないかと考えた。例えば56馬や56銀の詰めろは68香と打たれてみると意外と難しい。こちらは3枚の攻めなのだし、そもそも相手の安い駒を相手にしてしまうのは攻めが途切れる可能性も出てきて危ないのだ。よって、かなり露骨ではあるが58銀と駒を投入した。同金同成桂として次に68金と打つ手が厳しいので77玉としたが、さらに79の銀を狙いに行く。69成桂に対して68銀打は58金と打って駒得が見込める。
 我ながらよく3枚の攻めを繋いだと思ったが、ここでフロスト氏の反撃が始まる。


 第7図から 43歩成同金52歩同飛86玉79馬同角同成桂
【第8図】

 ◇The Dark Side Of The Moon

 43歩成としたが冷静に同金、52歩と垂らす手にも同飛で逆転する隙を与えない。フロスト氏の反撃は陣形を乱す必死の攻撃ではあるが、美濃囲いは崩れる事がない。
 そこで指した86玉が粘り強い手。局面は私の優勢に違いないのだが、69の成桂が感覚的にそっぽになってしまうのと同時に、88の角の活用、そして97玉と逃げる手を用意している一石三鳥の手なのだ。
 こういう盤面の景色をガラリと変える手は、形成判断を狂わせやすくさせると個人的に思っている。その理由として私の79馬はほんの少し焦った手で、同角同成桂からの手順でほんの少し紛れを呼ぶ可能性を秘めた手だったと感想戦で判明した。ソフトに聞くと79成桂で良かったらしいのだが、感覚的には遅い。

 これは余談である。森下九段は17桂を経由して25桂と跳ねる手の事を「地球の裏側から桂馬が跳んでくる」と表現なされたらしいのだが、97にいる玉はさながら月の裏側に潜む王なのではないかと思う。


 第8図から 46角64角同角同歩44歩89成桂43歩成68角75玉74金66玉65金投了
 【第9図】

 ◇幻の63銀

 46角と更に粘る。間接的に玉を睨みつつ79の成桂にハッパをかける手で、この角を放っておくのは精神衛生上よくない。ので64角と消すのだが、同歩に63銀という手があったのだ。仮にこの手を打たれたとしても私の優勢には違いないが、紛れを生まないように指してきた今までの手が水の泡となってしまうのはきつい。もしかしたら逆転されてたのかもしれない。本譜は44歩と打った事で幻へと消える。
 44歩に対して私は無視して89成桂と取る。無視して43歩成とするが、68角でほぼ詰みである。77に合い駒は74桂97玉79角成や74桂75玉65金85玉84銀まで。本譜も74金から詰まして先手の投了となった。

 対局を通しての感想

 今回の対局は私の序盤の右四間飛車への知識の無さが露呈した形となった。中盤以降はフロスト氏のミスによって私が優勢になり、維持して勝つという結果となったが、序盤でド必敗になったのは流石にいけないと思う。
 フロスト氏についてだが、将棋の感覚?センスは中級とは思えない。気になった手をリストアップしてみる。

  • 17手目 45歩 離れ駒が出来た瞬間に仕掛けるセンス
  • 23手目 36歩 じっと攻撃陣を整える感覚
  • 31手目 88角 筋なのだが、中級者では意外と知らない人が多い。
  • 41手目 45飛 冷静に46香からの攻め合いを避ける。
  • 47手目 39金 桂を取らせないで攻めを焦らせる
  • 59手目 43歩成 利かし。取らないと逆転も視野に入れた攻め合いになる
  • 61手目 52歩 利かし 取らないと51歩成から攻め合いになる
  • 63手目 86玉 玉の早逃げで69成桂を間接的に咎め
  • 67手目 46角 嫌味をつける

 こういった手を指せる中級者はどれほどいるのだろう。不利になっても粘り強く、そして嫌味を付けて戦うのは上級者からだと思っていたが、これほどまでとは…改めて言わせていただきます。対局ありがとうございました。

 これから

 序盤でこっぴどくやられたのでちょっとだけ対策を練る事にする。それとフロスト氏やそういった方々の為にもちょっと奇襲戦法の記事でも書いてみようかな…いや、普通に他の人がそういうの書いてるからいっか。とりあえず対策を練って記事にしたらURLをここら辺にはっつけるんで…以上!

 棋譜


開始日時:2018/10/26 0:20:06
棋戦:自由対局室(持ち時間15分)
手合割:平手
先手:frost6666(618)
後手:saharakenntei(1454)
手数----指手---------消費時間--
1 2六歩(27) ( 0:05/00:00:05)
2 3四歩(33) ( 0:08/00:00:08)
3 7六歩(77) ( 0:03/00:00:08)
4 9四歩(93) ( 0:04/00:00:12)
5 9六歩(97) ( 0:14/00:00:22)
6 4四歩(43) ( 0:08/00:00:20)
7 4八銀(39) ( 0:31/00:00:53)
8 3二銀(31) ( 0:02/00:00:22)
9 4六歩(47) ( 0:02/00:00:55)
10 4二飛(82) ( 0:03/00:00:25)
11 4七銀(48) ( 0:02/00:00:57)
12 6二玉(51) ( 0:02/00:00:27)
13 5六銀(47) ( 0:15/00:01:12)
14 7二玉(62) ( 0:11/00:00:38)
15 4八飛(28) ( 0:01/00:01:13)
16 8二玉(72) ( 0:09/00:00:47)
17 4五歩(46) ( 0:02/00:01:15)
18 7二銀(71) ( 2:12/00:02:59)
19 4四歩(45) ( 0:05/00:01:20)
20 5二金(41) ( 0:18/00:03:17)
21 4五銀(56) ( 0:03/00:01:23)
22 3三銀(32) ( 0:02/00:03:19)
23 3六歩(37) ( 0:16/00:01:39)
24 3二飛(42) ( 0:56/00:04:15)
25 5六銀(45) ( 0:19/00:01:58)
26 4二銀(33) ( 0:18/00:04:33)
27 4三歩成(44) ( 0:34/00:02:32)
28 4三銀(42) ( 0:05/00:04:38)
29 2二角成(88) ( 0:41/00:03:13)
30 2二飛(32) ( 0:02/00:04:40)
31 8八角打 ( 0:58/00:04:11)
32 1二飛(22) ( 0:41/00:05:21)
33 4五銀(56) ( 0:11/00:04:22)
34 4七歩打 ( 0:10/00:05:31)
35 4七飛(48) ( 0:26/00:04:48)
36 2八角打 ( 0:02/00:05:33)
37 4四歩打 ( 0:39/00:05:27)
38 3二銀(43) ( 0:23/00:05:56)
39 3四銀(45) ( 0:09/00:05:36)
40 1九角成(28) ( 0:03/00:05:59)
41 4五飛(47) ( 0:40/00:06:16)
42 3三銀(32) ( 1:48/00:07:47)
43 3三銀成(34) ( 1:32/00:07:48)
44 3三桂(21) ( 0:01/00:07:48)
45 3五飛(45) ( 0:03/00:07:51)
46 3一香打 ( 1:01/00:08:49)
47 3九金(49) ( 1:13/00:09:04)
48 4六馬(19) ( 0:17/00:09:06)
49 6八玉(59) ( 0:58/00:10:02)
50 4五桂(33) ( 2:17/00:11:23)
51 3一飛成(35) ( 1:36/00:11:38)
52 5七桂成(45) ( 0:03/00:11:26)
53 7八玉(68) ( 0:45/00:12:23)
54 5八銀打 ( 0:54/00:12:20)
55 5八金(69) ( 0:31/00:12:54)
56 5八成桂(57) ( 0:01/00:12:21)
57 7七玉(78) ( 1:16/00:14:10)
58 6九成桂(58) ( 0:22/00:12:43)
59 4三歩成(44) ( 1:14/00:15:24)
60 4三金(52) ( 0:04/00:12:47)
61 5二歩打 ( 0:56/00:16:20)
62 5二飛(12) ( 0:06/00:12:53)
63 8六玉(77) ( 0:47/00:17:07)
64 7九馬(46) ( 0:44/00:13:37)
65 7九角(88) ( 0:05/00:17:12)
66 7九成桂(69) ( 0:01/00:13:38)
67 4六角打 ( 0:31/00:17:43)
68 6四角打 ( 0:08/00:13:46)
69 6四角(46) ( 0:03/00:17:46)
70 6四歩(63) ( 0:02/00:13:48)
71 4四歩打 ( 0:48/00:18:34)
72 8九成桂(79) ( 0:58/00:14:46)
73 4三歩成(44) ( 0:37/00:19:11)
74 6八角打 ( 0:52/00:15:38)
75 7五玉(86) ( 0:41/00:19:52)
76 7四金打 ( 0:06/00:15:44)
77 6六玉(75) ( 0:54/00:20:46)
78 6五金(74) ( 0:03/00:15:47)
79 投了 ( 0:03/00:20:49)